【メルマガ独自解説】
 かつて東京・下北沢の街を分断するように走っていた小田急線が地下化されてから8年。いま、線路跡にはまるで昔の商店街のような住居兼店舗やホテル、さらには温泉旅館など個性的な施設が13も立ち並んでいます。この「下北線路街」を開発するにあたり、小田急電鉄が掲げたのが「支援型開発」というコンセプト。小田急の考えを押しつけるのではなく、地元の人たちと対話しながら、その土地ならではの施設をつくろうというものです。サブカルチャーの聖地として有名な下北沢のイメージを尊重し、チェーン店をあえて排し商店主の顔が見える商業施設をつくり上げました。
 しかし地元の多様な意見を聞き取り、実際の企画に落とし込むのは労力が掛かります。そこで小田急がタッグを組んだのが、2015年にグループ入りしたUDS(東京・渋谷)。全国で個性的な商業施設やホテル、街づくりを行ってきた企画会社でした。
 今後、注目されるのは新宿西口の再開発。高層ビル群に百貨店、家電量販店に飲み屋街と様々な顔を持つ新宿西口ですが、多様すぎて街のカラーは希薄。「パッチワークのようで、人々が回遊するような相乗効果がない」とUDSは見ています。しかし渋谷や品川といった再開発エリアと勝負するには、何らかの個性が必要になります。ケーススタディー「小田急、次の100年へ改革 『上から目線』排し街に個性」では、UDSのノウハウを生かしながら、画一的な沿線開発を変えようとする取り組みを追いました。
(日経ビジネス記者 佐藤嘉彦)