【メルマガ独自解説】
 環境にやさしい電力が自然や住環境を脅かし、電力の供給システムを不安定にする――。
 9月20日号の特集「再エネ 不都合な真実」では日本が突き進む再生エネルギー社会の裏側を浮き彫りにしました。「温暖化ガス削減に向け再エネは推進すべきだが、課題から目を背けることはできない」。こうした問題意識をもって取材班が再エネの現場を訪ね歩きました。
 私は再エネの安定供給に絶対欠かせないベースロード電源、中でも原発のリポートを担当しましたが、実は取材は消化不良でした。
 脱炭素のためにはエネルギー政策における原発のあり方を考え直す必要があり、電力各社に取材を申し入れましたが、真正面から誠意をもって向き合ってくれたのは関西電力だけでした。他の社はどこも書面や広報担当者の電話対応だけに終始し、Jパワーに至っては「総合的に判断した結果、取材を断る」との回答。
 「総合的とは何なのか?」と聞いても返答は「総合的に判断した」の繰り返し。説明能力の欠如にあきれかえりました。原発が脱炭素時代に必要というならなぜ、きちんと国民や利害関係者に説明できないのか、しまいには情けなくなりました。浅はかな対応に終始したJパワーには猛省を促したいと思います。
(日経ビジネス副編集長 上阪欣史)