【メルマガ独自解説】
 「このアニメ見て!」と、友人から連絡が来ました。それが「オッドタクシー」。セイウチのタクシー運転手のところに訳アリな客が集まってくるミステリーです。そして、私がちょうどそのとき書いていた原稿こそ、今回のスペシャルリポート「タクシーサバイバル コロナ禍の廃業連鎖から抜け出せ」でした。
 小説や映画の一コマで印象的に登場するタクシー。それだけ日常生活に深く根差しているということかもしれません。私にとっては学生時代を過ごした京都での思い出の一つです。友人たちと終電が無くなるまで遊んだあと、下宿までタクシーに相乗りして帰るか、割り勘の500円をケチるために小一時間歩いて帰るか。深夜の河原町でくだらない言い争いを延々とし………結局、毎回どうなったのかは覚えていません。
 皆さんにも、何気ない日常の思い出があるのではないでしょうか。日々の足として、今も毎日乗っているという方もいるでしょう。取材中、多くの方が「自分たちには社会インフラとしての使命がある」と言いました。輸送人員の減少やドライバーの高齢化、低収益構造など、業界の課題が積み上がる一方で、電車やバスが廃線になる地方では最後の足としてタクシーを頼る人も少なくありません。都市でも、観光地でも、地方でも、タクシー各社はコロナ禍で大打撃を負いました。あって当たり前と思っていたタクシーの未来はどうなっていくのか。生き残りを模索する各地の取り組みを追いました。
(日経ビジネス記者 橋本 真実)