【メルマガ独自解説】
 刺し身や煮物など、日本食文化に欠かせない調味料の1つ、しょうゆ。最大手のキッコーマンは2021年3月期まで8期連続で最高益を更新し、時価総額も10年間で6倍以上に伸ばすなど力強い成長を遂げています。そのけん引役は海外のしょうゆ事業。「和食ブームが海外にも広がってきたのか」と思われるかもしれませんが、「現地の食文化との融合」を徹底して進めてきたことが主因です。
 その代表的な例が「TERIYAKI(テリヤキ)」という製品群。鶏肉の照り焼きやテリヤキハンバーガーなど、今では日本でも使われますが、実は米国で生まれた製品です。米国に進出した1950年代、しょうゆを広く人々に受け入れてもらうために現地の肉文化との融合に目を付けたのが始まりで、しょうゆの味を知ってもらう「誘い水」として存在感を高めてきました。
 堀切功章会長CEO(最高経営責任者)や中野祥三郎社長COO(最高執行責任者)をはじめ、今回取材した全ての方々から「TERIYAKI」の話が飛び出すほど、今のキッコーマンを支える大事な成功体験となっているようです。
 「空港の匂い」といわれるほど日本になじみの深いしょうゆが、どのようにして海外の食卓にも根付いてきたのか。ケーススタディー「『しょうゆ』を押し付けない キッコーマンの躍進支える二面性」では、柔軟だけどブレない、キッコーマンの海外戦略を支える大きな2本柱に焦点を当てました。
(日経ビジネス記者 生田弦己)