【メルマガ独自解説】
 不祥事を繰り返す企業の原因にもなれば、好調な業績が続く企業を後押しする存在にもなる。姿や形はないけれど、どの会社にも存在するのが「社風」です。8月16日号の特集「良い社風、悪い社風」では、そんなつかみどころのない企業の風土をテーマに取材を進めました。
 風土改革を課題に挙げる企業経営者は少なくありません。ただ、長きにわたって染みついた社風を一朝一夕で変えるのは至難の業と言えます。愛知県春日井市に本社を置く段ボール製造機械メーカーのISOWA(イソワ)は「世界一社風のいい会社を目指す」を企業理念に掲げ、その改革の歴史は20年に及びます。
 日経ビジネスがISOWAを紹介するのは3回目で、最初に私が取材したのは2009年でした。あれから12年。お互いに見た目は少し変わりましたが、磯輪英之社長の社風改革への情熱はむしろ増しているように感じました。
 「会社の文句を言う会議」や「社長評価制度」「MANZOKU調査隊」などユニークな制度をいくつも立ち上げ、少しずつ社風を変えてきた磯輪社長は、社員一人ひとりの変化をいとおしそうに語ります。トップが社員や組織の変化を敏感に感じ取りながら、現場主導で変革を起こす。このバランス感覚と忍耐力があってこそ、社風改革が結実するのだと感じました。
 良い社風を維持し、悪い社風を変えていく。創業100年を超えるご長寿企業から米グーグルが恋したスタートアップまで。各社の社風の維持、改革の軌跡を、ぜひご一読ください。
(日経ビジネス記者 白壁達久)