【メルマガ独自解説】
 出版不況と逆行するように、過去4年で読者数を2倍以上に増やし、女性誌カテゴリーで首位を独走するシニア女性向けの雑誌「ハルメク」。その版元で、通販・出版業を手掛けるハルメクは2021年3月期の売上高が過去最高となりました。しかし、かつて前身の雑誌「いきいき」を発行していた2009年には、民事再生法の適用申請に追い込まれるほどでした。
 再生の立役者は黎明(れいめい)期のコールセンター会社を軌道に乗せたプロ経営者の宮澤孝夫社長。社内シンクタンクを設置するなどして、社内に顧客目線や組織連動を徹底的に意識づけました。
 「シニアはこうであるはず」との思い込みを捨て、読者と徹底的に向き合う姿勢が“乙女心”をくすぐるコンテンツにつながっています。雑誌特集では初歩の初歩から解説した毎年恒例の「スマホ特集」が読者の心をつかみ、通販では345人の読者の体形を3Dスキャンし開発した体形別パンツシリーズが大ヒット。読者に「パンツはユニクロよりハルメクよね」と言わしめました。
 通販利用者と雑誌読者は今や合計約70万人という巨大な経済圏となり、エンタメ、食品、自治体などのシニアマーケティングの駆け込み寺になっています。ケーススタディー「ハルメク、シニアの『乙女心』射抜く」では、民事再生法の適用申請から12年にわたる改革の軌跡を追いました。
(日経ビジネス記者 西岡杏)