【メルマガ独自解説】
 1997年12月。大学生だった私は地球温暖化防止の京都会議のサイドイベント会場で、初めてハイブリッド車(HV)に乗りました。同月に発売されたトヨタ自動車のプリウスです。回生ブレーキが効いている感覚が非常に新鮮だったことを今でも覚えています。その後は皆さんがご存じのとおり、賛否両論がありながらもHVは大きな進化を遂げ、世界で販売台数を伸ばし、トヨタの屋台骨を支えるクルマになりました。
 同じようなサクセスストーリーが、電気自動車(EV)でも実現するのでしょうか。ロンドンで生活していると、2020年頃からEVを目にする機会が飛躍的に増えました。以前はまれに見かける程度だったのですが、今は通りを眺めているとピカピカの新型EVが頻繁に通り過ぎていきます。実際、欧州でEVの販売台数が伸び続けています。
 HVとEVでは電池への依存度などに違いがあります。しかし、二酸化炭素(CO2)排出量の削減という社会善の下に、政府の支援を受けながらEVの販売が増えていく様子は、HVの成長と重なります。世界で欧州勢と競争する日本の自動車メーカーにとって、欧州EVの大きなうねりは他人事ではありません。8月2日号の特集「EV覇権 欧州の野望」で欧州のEVシフトを検証しました。
(日経ビジネスロンドン支局長 大西孝弘)