【メルマガ独自解説】
 「銀行マンとは思えない天性の発想力がある上、デザインの分野にも詳しい」。今年5月に開業した、ふくおかフィナンシャルグループ(FFG)傘下のスマートフォン専業デジタルバンク「みんなの銀行」の横田浩二頭取がそう評するのは、同社の永吉健一副頭取です。永吉氏は企画畑で、バブル経済崩壊後の不良債権処理、FFG傘下の熊本ファミリー銀行(現・熊本銀行)、親和銀行(現・十八親和銀行)との経営統合など第一線で活躍してきました。Tシャツ姿のラフな格好で仕事をしている今の姿からは想像がつきません。
 永吉氏は、2016年から始めたネオバンク事業を考案。FFG子会社の「iBankマーケティング」を設立して同社社長に就きました。スマートフォンのアプリで目的別預金などができ、より顧客目線に立った金融サービスを提供してきました。みんなの銀行への挑戦も、そこでの経験が生きています。
 FFGのデジタルへの取り組みで筆者の印象に残っているのは、15年から始めたIT(情報技術)のサービスへのアイデアを競うピッチコンテストです。地銀でこうした催しを行うのは珍しく、新鮮でした。その裏方で奔走していたのも永吉氏です。根底には、こうした人材を育てて見守るグループのDNAがありました。ケーススタディー「ふくおかFG、スマホから地銀を再定義」では、デジタルバンクの試みにフォーカスを当てて、なぜこうした取り組みができたのかを探りました。
(日経ビジネス記者 小原 擁)