【メルマガ独自解説】
 知人と会うために東京都港区のホテルを訪れました。入館検査は実施されていませんでしたが、各所にスーツ姿の警備担当者と思しき人たちが立っていました。国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長の宿泊先だからでしょう。「IOCの幹部は300万円の部屋に4万円で泊まっている」と報じられ、バッハ会長は「五輪貴族」「ぼったくり男爵」などと批判を浴びています。7月13日に東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の橋本聖子会長と面会した際には「最も大事なのはジャパニーズピープル(日本人)」と言うべきところを「チャイニーズピープル(中国人)」と言い間違えたことが話題になっています。
 五輪は1980年代から商業主義の道を歩み始めました。東京2020大会の経費は総額1兆6440億円に及びます。そのうち約25%はスポンサーからの協賛金です。企業は、五輪という世界的イベントに協賛することで、製品の販売促進やブランドイメージの向上につなげる狙いがありますが、コロナ禍の中で開催される五輪はパートナーの企業にとっても誤算の連続のようです。イメージアップどころか、「招かれざる五輪」に群がる利権集団とみなされ炎上しかねません。
 五輪開幕まであと1週間。東京都に緊急事態宣言が発令され、多くの会場で無観客開催となる前例なき五輪は日本に何をもたらすのか。7月19・26日合併号特集「コロナ五輪という賭け」で考えました。
(日経ビジネス副編集長 小平 和良)