【メルマガ独自解説】
 「10年前、震災で原発が停止したときに、日本の主力電源を、万難を排して再生可能エネルギーに転換していくと決断していれば、世界の脱炭素競争にここまで後れを取ることはなかっただろう」。エネルギー政策に詳しい識者のそんなため息を聞き、6月14日号特集「エネルギー維新 イオン、京セラ、花王が走る」の企画がスタートしました。
 エネルギー分野で産業構造の変革を促す「EX(エネルギー・トランスフォーメーション)」が日本でも本格的に始まろうとしています。温暖化ガス排出量が多い国で製造した製品が市場で不利になる「炭素国境調整措置」や「ライフサイクルアセスメント(LCA)規制」といった制度の検討が欧米で進んでいます。
 金融市場でも脱炭素の歩みが遅い企業は評価されなくなっています。日本政府の対応を待つのではなく、世界の趨勢を先取りして動いてきた日本企業は今、何に挑戦し、どんな課題に向き合っているのか先進企業のケーススタディーを紹介します。
 かつて「環境先進国」と世界から評価された日本が、なぜ環境後進国とみなされるようになってしまったのか。経済と環境の両面で日本を先進国に引き上げた日本的経営の「強み」が「弱みに」転換してしまったメカニズムにも迫ります。脱炭素時代に日本企業は、何を変え、何を守らなければならないのか、そのヒントが見つかるはずです。
(日経ビジネス副編集長 吉岡陽)