【メルマガ独自解説】
 中核企業とその協力会社が雇用を支える「企業城下町」を4月に何カ所か訪れ、地元で働く人々から様々な話を聞きました。「昔は中核企業が地元の塾や食品スーパーも経営してあらゆる面から暮らしを支えた」「週末の商店街は人でごった返して肩がぶつからないよう歩いた」。取材の帰り道に街を歩くと、20年ほど前までは活気があふれていただろう繁華街はシャッター通りと化して歩く人はまばらで、往時との落差に面食らいました。
 グローバル競争、国内人口減少、そしてコロナ禍。国内工場を多重危機が襲う中、企業城下町は万が一に備えて「城主」への過度の依存を見直そうと動いています。「何十年も口を開けて中核企業から仕事を待っていただけの下請け企業はそう簡単に変われない」。こんな声も多く聞かれるほど長年の習慣から抜け出すのは難しく、また城主の異変を論じること自体がタブー視される風潮も一部で残るなど、それぞれの城下町が色々な意見で揺れていました。5月10日号のSPECIAL REPORT「『鉄の街』人口流出の危機 ついに消える?企業城下町」では、まちづくり再考という正解がない難問に戸惑う地方自治体を取材しました。ぜひご一読いただければ幸いです。
(日経ビジネス編集部 岡田達也)