【メルマガ独自解説】
 日本入試センター(東京・渋谷)が運営する、SAPIX(サピックス)の小学部は、首都圏で子供の中学受験を考えた親なら一度は気にかけたことがある学習塾かもしれません。開成中学や桜蔭中学といった難関校に多数の合格者を送り込み、男女御三家と呼ばれる難関6校合計で合格者の5割以上を占めます。中学受験に詳しい関係者は「成績上位層の圧倒的なブランドになっている」と話します。
 さまざまな角度からの取材を進める中、特に印象的だったのは、講師出身の管理職の多くが、教える現場に立ち続けている姿です。同社の教育情報センター本部長は週1日算数の講師を務めていますし、主力の東京校の責任者は社会科講師として週3日、フルに授業を担当しています。SAPIX小学部はその理由を「教室の意見や感覚を社内の隅々まで持ち込むため」と説明します。
 一方、塾は付加価値が講師に集中しやすく、これまでも各地で有力講師が別の塾を立ち上げるケースが繰り返されてきました。SAPIX小学部にもこうしたリスクがあることを経営陣も理解していて、分裂を防ぐ取り組みを進めています。ケーススタディー「SAPIX小学部、御三家合格者の5割占有 中学受験常勝の法則」では、設立から現在までの歩みなども含めて、優秀な子供を引き寄せ続ける仕組みを探りました。
(日経ビジネス副編集長 中沢康彦)