【メルマガ独自解説】
  「上場ゴールだ」「いや、もはや『上場詐欺』の領域に入ったね」。2019年、美顔ローラーの「リファ」やトレーニング機器「シックスパッド」で知られるファブレス企業、MTGは批判の渦中にありました。MTGが東証マザーズに上場したのは18年7月のこと。メルカリに次ぐ大型上場ともてはやされ、株価は一時8000円超に、時価総額は3000億円を超えました。
 ただ「春」はすぐに終わりました。好業績を支えていたインバウンド需要の落ち込みに加え、19年5月に中国子会社での不適切会計の疑いが浮上したことが要因となり、19年9月期は大幅な赤字に陥ったのです。「地獄のような2年間だった」。創業者の松下剛社長はこう振り返ります。ただ、松下氏以上に「地獄だ」と嘆きたいのは株主でしょう。株価は一時500円台まで下落。「上場ゴール」との批判もやむなしでした。
 ただMTGは20年9月期に黒字転換を果たしました。背景には稲盛和夫氏の側近を長く務めた「再生請負人」の存在があります。ケーススタディー「元ユニコーンのMTG 経営再建担った稲盛氏の右腕」では、MTGの急成長と転落、そして復活までの姿を追いました。
(日経ビジネス記者 高尾泰朗)