【メルマガ独自解説】
 米国では新しい大統領が誕生してからの100日間を「First 100 Days」としてことのほか注目します。きっかけは1933年、フランクリン・ルーズベルト大統領が就任から100日以内に15の重要な法案を次々と議会で通過させ、法律化したことでした。それらの法律が可能にしたのが、かの有名なニューディール政策です。
 2021年1月20日に誕生したジョー・バイデン米政権も、2兆2500億ドル規模の大型インフラ投資計画を推し進め、米経済を立て直そうとしています。バイデン大統領が「現代のルーズベルト」となれるかどうかは、議会でどこまで共和党の協調を勝ち取れるかにかかっていますが、現時点で明るい兆しは見えません。
 そうこうしているうちに米国内の社会的緊張は高まる一方です。メキシコ国境に押し寄せる移民には十分な食料や寝る場所が与えられず、人道問題に発展しています。黒人だけでなくアジア人にも向けられた卑劣なヘイトクライム(憎悪犯罪)も、収まる気配がありません。格差や分断の「根源」とされたドナルド・トランプ前大統領が政界から消えても、こうした問題が解決しないのはいったいなぜなのか――。
 日経ビジネス2021年4月19日号の特集「バイデン100日 消えないトランプの呪縛」では、そんな疑問を解消すべく、分断のルーツを探るとともに、これから企業が直面するであろう環境の変化、さらにはめまぐるしく変化する世界で日本企業がいかに生き残るかについて考えています。
 20年は私たちの生活を一変させた1年でしたが、世界が構造的な大変化を遂げるのはむしろこれからです。今回の特集がその荒波を乗り越えるヒントになればうれしく思います。
(日経ビジネスニューヨーク支局長 池松由香)