【メルマガ独自解説】

 中国アリババ集団創業者の馬雲(ジャック・マー)氏の姿が、再び公の場から消えています。昨年10月下旬に政府批判と受け取られる発言をして傘下の金融会社アント・グループの上場が突然延期になってから、消息不明になり拘束を懸念する声も上がりました。今年1月にオンライン会議で一度姿を見せたものの、その後また行方が分からなくなっています。
 中国政府のアリババに対する締め付けは、なりふり構わぬ露骨なものです。多くの日本人の頭には「なぜアリババをここまで目の敵にするのか」という素朴な疑問が浮かぶのではないでしょうか。
 巨額流通総額を誇る電子商取引(EC)サイトを運営する企業。スーパー決済アプリ「支付宝(アリペイ)」で中国人の生活になくてはならない企業。それは事実ですが、本質とはいえません。
 日経ビジネス2021年4月5日号の特集「アリババの実像 成長と統制の狭間で」では、マー氏が「アリババよりも長く存続しなければならない」と語った社内の研究開発組織のキーパーソンへのインタビュー、製造業や物流、自動運転などの現場取材を進めました。そこで浮かび上がってきたのは、想像以上に巨大化・複雑化しているアリババの実像でした。
(日経ビジネス上海支局長 広岡延隆)