【メルマガ独自解説】
 第3回となる「検証・そのとき企業は」では「スルガ銀行とかぼちゃの馬車」に焦点を当てました。スルガ銀行による不正融資と、経営破綻した不動産会社スマートデイズによる詐欺的なシェアハウスのサブリース(転貸借)を掘り下げる内容になっています。
 2018年にこの事件が社会問題化した際、筆者は当時所属していた建築専門誌「日経アーキテクチュア」で取材をしました。東京都内に立つかぼちゃの馬車の建物を見学しましたが、水回り設備を個室内に設置しておらず、炊事・洗濯・入浴はすべて共同でした。「女性専用シェアハウス」とうたいながら、とても生活の質を考えた建築とはいえない屋内だったのを記憶しています。実際、多くの物件は融資額の半額ほどの価値しかありませんでした。
 市場価格に劣後する不動産を粉飾してオーナーに高額なローンを組ませ、貸し手が高い利回りを貪るスキームは、今後も手を替え品を替え出現するでしょう。厳しいマーケット環境下で業績低迷に苦しむ銀行は、個人向けローンの積み増しに躍起になってきました。それが債務者にとって必要なお金なら問題ありません。だからこそ、金融のプロである金融機関には“お金の番人”であってほしい。そうした願いを込めて、3月8日号「スルガ銀行、勤め人を陥れた不正融資(1)内部告発はかき消された」から4回の連載を書き進めたいと考えています。
(日経ビジネス記者 江村英哲)