【メルマガ独自解説】
 特集「70歳定年パニック あなたは戦力? お荷物?」をやりたいと思ったきっかけは、スーパーで遭遇したある出来事でした。野菜売り場でインゲンの置いてある場所が分からなかった私は、近くにいたシニア店員の方に置き場所を尋ねました。彼女は早速周りを探しましたが、見つかりません。結局チーフのところへ走っていき、場所を教えてもらいようやく見つけることができました。そのとき私は聞いてしまったのです。「いいかげん、そろそろ置き場所を覚えてください。何回教えれば分かるんですか」。私のせいで彼女が叱責されていると知り、とても申し訳ない気分になりました。
 少子高齢化が進む日本で、高齢人材は今後間違いなく増えます。「団塊ジュニア」と呼ばれる現在46~49歳の世代もあと10年で60代手前の年齢になります。雇う側もこうした変化を考えなければならないのでしょう。スーパーでの出来事を例に取れば、もう少しシニア店員にも分かりやすい商品の陳列の仕方があってもよいはずです。若年層を前提としている教育の仕方も改める必要があるでしょう。
 「人生100年時代」といわれるようになり、これからは、老後の生活資金のために働く高齢者が増えることが予想されます。年を取ってもいきいき働ける職場にするにはどうすべきか――。4月からは、従業員の希望に応じて70歳まで働く場を確保することを企業の努力義務とする改正高年齢者雇用安定法が施行されます。このタイミングで、これまでの日本の雇用のあり方を見直してみてもよいかもしれません。
(日経ビジネス記者 武田安恵)