【メルマガ独自解説】
 理化学研究所が中心となって開発したスーパーコンピューター「富岳」の本格運用が3月9日から始まります。当初の「2021年度中」から前倒しした格好。新型コロナウイルス感染症対策を筆頭に幅広い領域からの引き合いが増えています。
 日本製スパコンとして8年半ぶりに世界首位に立つなど、性能の高さに注目が集まる富岳。一方で、試験運用中に利用した研究者が口にするのが使い勝手です。先代の「京」と比較して「こんなに使いやすいとは」と驚きの声を上げます。京と富岳の違いの1つが、開発時に「使われないと意味がない」という意識を貫いたことでしょう。産業界から「近寄りがたい」といわれてきた国の研究所の意識改革が実を結んだと言えます。
 2月22日号のケーススタディー「理化学研究所の変身、世界一の『富岳』で結実」では、富岳を中心に企業との距離を密接にして研究成果の応用を加速しようとする取り組みを取り上げました。「基礎研究がなかなか応用に結び付かない」。多くの日本企業が抱えるこの悩みを解決するヒントが隠されているはずです。
(日経ビジネス記者 佐伯真也)