【メルマガ独自解説】
 あのときこうしていれば、その後の運命は違ったのではないか。みなさんは、これまでの人生の中でそう思ったことはないでしょうか。企業も同じ。あのときこう決断していれば、倒産や買収を免れたのではないか。企業にとっても、そうしたいくつかのタイミングがあるのではないでしょうか。
 新たにスタートする連載「検証そのとき企業は」では、1回目としてシャープを取り上げ、「シャープ、鴻海傘下入り(1)逃した最後の自力再建のチャンス」から4週にわたって記事を配信します。
 経営危機に陥り、2016年の台湾・鴻海精密工業による買収に至るまでを、シャープの歴史を振り返りながら、いくつかのタイミングにスポットを当てて検証。当初、産業革新機構からの出資を受け入れる方針でいたシャープはなぜ、鴻海に転じることになったのか。なぜ、亀山工場がすでにありながらも、堺工場という身の丈を超えた巨額投資に踏み切ったのか。そうした背景に迫りました。
 見えてきたのは、やむを得ない市場環境に置かれていたとはいえ、シャープ自身の経営体制や社内文化にも危機を招く要因があったということです。表向きこそまっとうに見えた経営でも、そこには歯車を狂わせるだけの理由がありました。
 過去を検証したうえで、企業経営とはどうあるべきなのか。この連載からそうしたヒントを見いだしてもらえれば大変うれしく思います。
(日経ビジネス記者 中山玲子)