【メルマガ独自解説】
 2021年は新型コロナウイルスの感染拡大第3波が収まらないまま明けました。人類が直面した未曽有の危機は、企業の在り方を根幹から揺るがしているように感じます。
 今号の特集は「コロナ後の会社 人と組織の覚醒」です。コロナ禍が会社に対して及ぼした最も大きな影響は、企業と個人の関係を一新し始めたことではないでしょうか。「密」を避けるためのテレワークをはじめとした新たな働き方は、働き手に自立の道を開きました。企業側は、変わり始めた「個」を中心とした新たな会社の形を作りあげる必要に迫られています。
 もちろん新型コロナだけがすべてを変えたわけではありません。既にIT(情報技術)などテクノロジーの進化やグローバル競争の激化は企業の在り方を変え始めていました。コロナ禍は、そこに痛撃を与え、企業の大変革を一気に加速させたのでしょう。
 1602年に、株式会社の原型とされるオランダ東インド会社ができて400年余りがたちます。小さな工場や事務所が分散し、一部の大商人を除けば資本も零細で雇用は流動的だった企業は、工場や本社を集中・大型化し、雇用を固定化することで生産性を上げてきました。4世紀に及ぶ企業進化の道筋は今、再び「分散」「流動」へ逆流しようとしているかのようです。特集では、コロナ禍を機に覚醒した人と組織が変える企業の未来を考えてみました。
(日経ビジネス編集委員 田村賢司)