【メルマガ独自解説】
 「自分の仕事がいつかAI(人工知能)に奪われるのではと思っている」
 この企画を思いついたのは、公認会計士の友人との間で交わした何気ない会話でした。難関資格といわれる公認会計士ですら危機感を抱いている現状に驚くとともに、自分の将来がどうなるか、もっと真面目に考えないといけないなと反省しました。確かに、2017年から日本経済新聞社もAIが決算記事を「決算サマリー」として自動配信するサービスを始めています。記者の仕事もいつかなくなるのかもしれません。
 スペシャルリポート「脅威・代替だけじゃない AIと職人 切磋琢磨が生む好循環」は、AIが仕事を奪うことを「脅威」と捉える考え方に対し、一石を投じたくて書いた記事です。確かに、AIのテクノロジーは日進月歩で、人間が何年もかけて獲得してきた技術やノウハウをいとも簡単に吸収し、同じレベルの仕事を簡単にこなします。「職人技」と呼ばれる、勘や微妙なさじ加減までも忠実にコピーする技術には驚かされるばかりです。
 ですが、AIがいくら進歩しても、人間の仕事はなくならないでしょう。AIに助けられる代わりに人間が新しい仕事に就くことも十分考えられますし、取材ではAIによって「気づき」を得た人間がさらに仕事のパフォーマンスを高める事例もありました。機械と人間が共存する未来は明るい――楽観的かもしれませんが、そんな一面もあるのだということを知っていただければ幸いです。
(日経ビジネス記者 武田安恵)