【メルマガ独自解説】
 今号の特集は「徹底予測2021 底打ちか奈落か」。毎年恒例の予測特集ですが、コロナ禍ほぼ一色だった異常な1年をきちんと振り返らねばならないと思い、別の取材で出会った方々に近況と展望をもう一度丁寧に聞くことにしました。
 この1年、利用客激減に直面した屋形船の舟宿の主人、春先から休業を余儀なくされた旅行会社の代表取締役、廃業を決断した人気フランス料理店のオーナー……。一部はプロローグの中に入れさせてもらいましたが、それぞれ事態が好転しているとはお世辞にも言い難い。「思うようにはいかないね」。そんな言葉をよく聞きました。
 ただそれでも希望は決してゼロではない。明るさだって探せばある──。決して強がりではなく、真剣に潮目の変化を見極めようとしている人々の姿に勇気づけられました。コロナの行方を含め依然見通しにくい部分はありますが、少なくとも前に進もうとする人々のパワーは大きい。「底打ちか奈落か」。結論めいたことを言ってしまうのが正しいか分かりませんが、私たち取材班が2021年に願う日本と世界の姿は、明らかに「前者」です。
(日経ビジネス記者 山田宏逸)