【メルマガ独自解説】
 「今は何をやっている会社なのだろう?」。そう思っている読者の方は多いかもしれません。日立製作所と東芝のことです。
 総合電機の「雄」として日本の経済成長を支えてきた両社。しかし、1990年代半ば以降に訪れたデジタル化の波にのみ込まれました。消費者向け製品ではテレビにパソコン、携帯電話などの事業をそれぞれ売却し撤退。白物家電事業も、東芝は中国大手に売却済みで、日立にも売却観測がくすぶります。
 両社が進めてきた事業ポートフォリオの整理は、家電やパソコンなどの消費者向け製品だけではなく、半導体や医療機器といった企業向け製品にまで及んでいます。もはや多くの読者が思い浮かべる、総合電機メーカーとしての日立、東芝の姿はないと言えるでしょう。
 日立は2009年3月期、東芝は17年3月期に、それぞれ当時の国内製造業として過去最大の最終赤字を計上。どん底を味わった苦い経験が、改革の原動力となっています。両社は苦い経験から何を考え、最終的にどこを目指すのか。日経ビジネス12月14日号の特集「日立と東芝 どん底を見た総合電機の行方」では、その実像に迫りました。先陣を切る形で改革を迫られた両社の経営は、多くの業界の今後を映し出しているはずです。
(日経ビジネス記者 佐伯真也)