【メルマガ独自解説】
 11月26日、定食チェーンの大戸屋ホールディングス(HD)の株価が一時ストップ高になりました。理由は25日に株主優待制度を拡充すると発表したからです。個人投資家の買いが殺到して株価が急騰したわけですが、大戸屋HDはつい先日、業績悪化で債務超過になったと発表したばかり。ストップ高で時価総額は増えましたが、これは大戸屋HDの「企業価値」、つまり実力が上がったことを意味するのでしょうか。個人株主にとって「自分が保有する株券の価値」は上がったかもしれませんが……。
 今回のスペシャルリポート「株主優待の意外な効用、市場ゆがめる負の側面も」では、株主優待制度が持つ様々な功罪を取り上げました。どちらかというと「罪」の方の問題意識から取材を始めたのですが、取材を進めていくと子ども食堂の存続に貢献していたり、普段私たちが活用している街中の金券ショップを下支えしていたりと意外な効用にも気づかされました。いずれにしろ、もうここまで普及した制度ですからうまく活用していくしかありません。良い知恵が生まれることを願っています。
(日経ビジネス記者 奥貴史)