【メルマガ独自解説】
 この10年間で時価総額が20倍超に達し、売上高も2.5倍近くに拡大──。そんな急激な成長を遂げた伝統企業があります。1937年に創業したダイフクです。倉庫や工場などにおいて物品を動かす「マテリアルハンドリング(マテハン)」の機器やシステムに注力し、米専門誌調べでは2014年から6年連続でマテハンメーカーとして世界首位を維持しています。
 そんな「物流の巨人」の企業価値が急激に高まった理由は「個配」へのシフトです。流通業や製造小売業などがEC(電子商取引)サイトを設けて商品を1個ずつ、個人に届けるようになると、取り扱う荷物の数は桁違いになります。人手ではさばききれない数にどう対応するか。その駆け込み寺になっているのがダイフクなのです。さらに新型コロナウイルスの感染拡大が、物品を動かす作業を自動化するシステムの価値を高めました。
 9月に最新鋭の物流センターを東京・大田で全面稼働させた医薬品卸大手、東邦ホールディングスの森久保光男専務は「物流関係の企業は数多くあるが、総合力という点ではダイフクが一番だと思う」と全幅の信頼を置きます。ダイフクは、そうした信頼をどうやって勝ち取ってきたのか、そのルーツはどこにあるのか。ケーススタディー「ダイフク、『殿様商売』しない物流の巨人 10年間で時価総額20倍」で迫りました。
(日経ビジネス副編集長 竹居智久)