【メルマガ独自解説】
 アルツハイマー病の進行を抑える世界初の薬になるかもしれないと注目されるアデュカヌマブという候補品を、米バイオジェンと共同で開発しているのがエーザイです。
 1990年代後半に発売したアリセプトというアルツハイマー病の症状を抑える薬を世界で発売して大成功しましたが、特許切れによって業績は停滞し、後継品となるアルツハイマー病薬の開発も難航しました。2014年からはバイオジェンと複数のアルツハイマー病薬の共同開発などで提携。その枠組みの中からトップを切って、米国での承認申請にこぎ着けたのがアデュカヌマブです。米食品医薬品局は来年3月までに承認の可否を判断するとしており、その行方が注目されます。
 一方で、認知症薬の研究開発に取り組むだけでなく、自治体と連携して認知症を予防する活動を支援したり、認知症の予防に使えるアプリを提供したりといった活動にも力を入れています。世界保健機関(WHO)と契約して、熱帯地域特有の寄生虫症の薬をアジア・アフリカなどの国に無償で供給するなど公益的な活動にも積極的に取り組んでいます。
 ESG(環境・社会・企業統治)のリーダーとしても注目されるエーザイ。ケーススタディー「エーザイ ESGは慈善ではなく実利」では、そのユニークな企業風土に迫ります。
(日経ビジネス編集委員 橋本宗明)