【メルマガ独自解説】
 「日米半導体摩擦以上のインパクトだ」。半導体などハイテク産業で深刻化する米中対立。国産化を加速する中国に対する米国政府の制裁について、日本国内の半導体関係者はこう口をそろえます。
 1980年代に世界を席巻した日本の半導体。86年から10年間続いた日米半導体協定で、日本の半導体メーカーの競争力はそがれました。2019年に半導体の世界シェアで10位以内にとどまるのは東芝から独立したメモリー大手のキオクシアホールディングスのみ。競争力を維持する日本の装置・素材メーカーも、中国を取るか米国を取るかの「踏み絵」を迫られています。
 もっとも、過去の日米摩擦では新たな秩序も生まれました。日本の攻勢に苦戦していた米インテルはDRAMからマイクロプロセッサーへと事業を転換し、韓国サムスン電子はDRAMで確固たる地位を築きました。今回の米中対立も、新たな勝者が生まれる可能性はあるでしょう。
 今回の特集で紹介したように、半導体市場のデカップリング(分断)が現実味を帯びる中、世界の半導体大手は次を見据え始めています。新型コロナウイルス禍でデジタルトランスフォーメーションが加速する中、重要度が増す半導体とどう関わるか。日本企業も再考する時期を迎えています。
(日経ビジネス記者 佐伯真也)

特集 米中半導体ウォーズ 踏み絵迫られる日本の針路

Part1
岐路に立つ日の丸半導体
中国の成長か 米国との協調か


Part2
国産化の旗は降ろさず
徹底抗戦の中国 主役は「紫光集団」


Column
日米半導体摩擦の教訓 圧力に屈した日本は衰退

Part3
米中分断の先にあるもの
命運握るは台湾 米は新モデル模索


Epilogue
産業のコメなき日本のこれから