【メルマガ独自解説】
 テレワークで通勤電車に乗る機会が減った、あるいは毎日乗っている電車の混雑が緩和されたと実感している人は多いのではないでしょうか。実際、位置情報データを分析すると、平日朝のビジネス街の人出は、コロナ前と比べて5~6割にとどまっています。
 “満員電車解消”はビジネスパーソンにとっては喜ばしいことかもしれませんが、鉄道会社にとってはビジネスの根幹を揺るがす大きな問題です。各社は混雑緩和のため、車両や設備を増強してきました。それが重荷になっています。
 鉄道各社は「働き方の変容で乗客が100%戻ることはない」と考え、通勤定期券以外の収入を模索しています。3密回避ニーズを捉えた着席保証列車による増収、滞在時間が増える沿線地域での売り上げ拡大、都心への通勤に代わる新たな移動需要の確保など、さまざまな取り組みが始まりました。乗客を待つ姿勢から変革しなければ、駅の無人化や運行本数の削減など、利便性の低下に手を着けざるを得なくなるかもしれません。残された時間はそう多くありません。
(日経ビジネス記者 佐藤嘉彦)