【メルマガ独自解説】
 1人1000万円。国と地方を合わせた国民1人当たりの借金が大台を突破するのも時間の問題になってきました。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、2020年度の日本政府の予算規模は160兆円に膨張。うち100兆円以上を国債の新規発行に頼ることになります。
 コロナショックで経済は疲弊し、財政出動と金融緩和が広がるのは海外も同じ。ただ、公債残高GDP(国内総生産)比が250%を突破する極端な国は先進国では日本以外に見当たりません。アベノミクスで景気は拡大しましたが、財政健全化と構造改革は進みませんでした。
 新たに発足した菅義偉政権でも、日銀と一体になった経済政策は継続しそうです。そして、「ツケ」は将来世代へと引き継がれそうです。それでよいのでしょうか。我々の子孫は受け入れるのでしょうか。借金の「出口」の話、真剣に始めませんか?
(日経ビジネス記者 北西厚一)

特集 コロナと「日本の借金」 大盤振る舞いのツケ

PART1
相次ぐ珍現象と不公平 あふれるお金、誰のため

PART2
財政・金融「双子の肥満」 解消シナリオは非現実的

PART3
隠れ債務665兆円、経済対策は安全運転

PART4
見捨てられない国へ、問われる規律と成長力