【メルマガ独自解説】
 「『おいしい』だけでは売れない」ーー。外食でも消費者のニーズに合わせて商品を開発する「マーケットイン」が主流になり、「インスタ映え」など見た目の華やかさも求められる時代ですから、こんな言葉を聞いても「当たり前だろう」と思うかもしれません。
 しかし、創業以来半世紀近くもの間、作り手の論理が優先されるプロダクトアウト型の商品開発を堅持してきたモスフードサービスがこうした手法を受け入れるにはどれほどの葛藤があったのでしょうか。同社は2019年にマーケティングと商品開発の部門を統合し、マーケットインの手法を取り入れました。この年は新商品がヒットを続け、既存店売上高は20年7月まで12カ月連続で前年を超えています。ケーススタディー「モスフード、激辛・七味マヨが連続ヒット『エッジ効かせた』」ではその変革の過程に迫りました。
 「伝統」は固執しすぎれば「マンネリ」となり、組織全体の停滞にもつながります。とはいえ、「マーケットイン」という流行を取り入れれば万事うまくいく、というわけでもありません。自社の強みを生かしながら、組織をいかに時代に合わせ変革していくのか。モスフードサービスの事例はそのことを教えてくれます。
(日経ビジネス記者 神田啓晴)