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辻庸介 マネーフォワード代表取締役社長

自動家計簿・資産管理サービスで700万ユーザーを抱えるマネーフォワード。ユーザーの行動を分析し、次の手を考える同社社長の立場から、2019年の金融の変化を予測する。

 「すべての人のお金の課題を解決するサービスを提供する」ことを掲げている立場から感じているのは、19年はフィンテックを使ってあらゆるリアルの業界が大きく動く年になる、ということです。

 これを私は「フィンテック×リアル」元年と呼んでいます。その最たる例が決済のキャッシュレス化です。インターネット上の決済だけでなく、飲食店など、あらゆるリアル店舗の決済がキャッシュレスになり、その仕組みを提供する企業も増えていきます。

マネーフォワード代表取締役社長の辻庸介氏(写真=北山宏一)

 最近は「決済戦争」という触れ込みで、ソフトバンクの提供する「PayPay」やみずほ銀行と連携を始めた「LINEPay」のほかに、「楽天ペイ」もある。様々なキャッシュレスの決済手段が出てきています。さらに18年11月30日には犯罪収益移転防止法が改正。これまでは、銀行の口座開設などの際には郵送で本人確認書類を送る必要があったけれど、今後はインターネット上で本人確認を済ませられるようになりました。

 決済手段が増えると同時に本人確認もネットで完結する。この2つの組み合わせによって個人がキャッシュレス決済を使うハードルが大きく下がりました。

 さらに消費増税の緩和措置として、キャッシュレス決済をした額の数%を還元するという政府の案も浮上しています。キャッシュレス決済が一気に普及することは、間違いありません。

個人の金の流れがログに残る

 ここからが大事なのですが、19年にキャッシュレス決済が普及した効果は、単なる決済の利便性向上にとどまりません。キャッシュレス決済によって、これまでの現金決済では見えなかった「個人のお金の流れ」がすべて記録に残せるようになります。

 自分のデータがたまり、これをAIや機械学習などのテクノロジーと組み合わせることで、最適な家計の配分や、ムダな使い方を発見し、無理のない貯金をしたり、適切なポートフォリオを組んだりして、着実に資産を増やすことが簡単にできるようになっていきます。