亀山 敬司
DMMホールディングス会長

 石川県のレンタルビデオチェーンを立ち上げてから約30年。数え切れないほどの事業を立ち上げてきた。若手起業家から「亀さん」と呼ばれ、慕われている。写真NGで表舞台に出ることを嫌う。ベールに包まれた男の2018年、どう動くか。

 私の2018年の戦略は明快です。IT分野は若い社員たちに任せて口を出しません。それぞれに予算だけをつけて自由にやらせます。年寄りはITのトレンドについていけないですからね。私がやるのは、アマゾンやグーグルがやらないことで、しっかりと収益を稼ぐこと。勝てる領域で戦い、基本的には大手を避けて生き延びる。うちくらいの規模の会社がガチンコで当たると、アマゾンに勝てるはずがありませんから。

 2018年は沖縄で水族館建設に着手し、2020年春のオープンを目指します。なぜ水族館なのか不思議に思うでしょう。 これこそが「アマゾンができないこと」でもある。つまり、その場で体験すること、なのです。

 良い体験にするには、何と言ってもインスタ映え(インスタグラムに投稿しやすい)が必須です。

 インスタ映えをする工夫さえすれば、皆さん自由に撮ってアップして、テレビCMなどの莫大な宣伝コストをかけず、勝手に国内外で宣伝してくれる。日本の水族館の飼育管理の技術は 世界トップクラスで、これに我々の「DMMらしさ」で環境演出を加えて、世界中に水族館というインフラを通じて情報発信をしていきたいですね。

 いま消費者はスマホで完結するものにお金を払ってくれません。でも体験にはお金をだしてくれます。音楽は無料で聞きたがるけど、ライブには行くというのはそんな消費者行動の好例です。

 これは外国人観光客も同様で、爆買いは鳴りを潜め、体験。つまりコトを買いたがる。そう考えると、日本に必要なのはデパートではなくて、エンタメの施設が不足しています。夜遊べるところがなくて、外国人もお金を使いたくても使える場所がありません。

 クラブやショービジネスが必要になっています。ロンドンに学び、都内の鉄道を24時間を動かしてもらいたい。そもそも終電という考えが間違いで、撤廃すれば営業時間の考え方が変わるでしょう。劇場も1日2回以上の開催ができるようになります。経済効果は確実に上がります。

(写真撮影:村田和聡)