母の周りには不思議と人が集まっていた
RICCI EVERYDAYは15年に日本法人を設立しています。母である律枝さんを創業メンバーに加えたのはなぜですか。
仲本:ウガンダ現地の工房はとんとん拍子で話が進みましたが、日本で誰に売ってもらうかは大きな課題でした。私自身は多忙でウガンダから離れられないし、日本で人を雇う余裕もない。そこで思い浮かんだのが母の存在でした。

仲本:母はもともと専業主婦で私を含む4人を育て上げた人です。「私の30年は子育てしかしていない」が口癖でしたしね。ただ地元静岡にネットワークがあるのか、母の周りには不思議と昔から人が集まっていました。確証はなかったのですが、「母のコミュニケーション能力は生かせるのでは」と考えました。
でも実際に予感は的中したんですよ。起業早々に地元静岡の百貨店で期間限定の催事を開催できたのは母のおかげです。母が百貨店に足を運んで受付の方に直談判してくれたそうです。するとなぜか受付の方がバイヤーにつないでくれて、出店にこぎつけてくれました。
さらに、地元のテレビ番組でも偶然取り上げてくれて、お客さんが殺到してくれたそうです。2週間の予定でしたが、1週間でほぼ完売しましたから。残りの1週間は在庫をかき集めてなんとか乗り切れました。本当に母には頭が上がりません。
足元のRICCI EVERYDAYの商品の販売状況はいかがですか。
仲本:日本では期間限定店舗が中心ですが、一部オンライン販売も手掛けています。多くのメディアに取り上げていただいたこともあり販売は好調です。世代的には40代以上の女性が多い。母に共感した方が多いようです。母と娘で購入してくれる方もいます。社会的に意義があるということにも共感していただけるのはありがたいですね。
お陰様で現在は生産が追い付いていません。現地で新しい人を雇うとトレーニングに時間がかかり生産性も落ちます。どうバランスを取るか……、うれしい悩みですけどね。
最後に、今後の事業目標を教えてください。
仲本:まずは販路を広げていくことですね。ウガンダの店舗には外国人旅行者の方も訪れてくれます。アフリカンデザインの布バッグは日本以外の国でも受け入れられる自信はあります。
海外展開で考えているのはオーストラリアです。色鮮やかな商品なので春夏が商戦期。南半球で展開できれば季節の変動要因を抑えられるようになりますしね。まずは来年に展示会に出展する予定です。日本でも常設となる店舗の出店を計画中です。RICCI EVERYDAYは企業としてはまだまだヒヨっこです。来年には経営基盤をより安定させていきたいと思っています。
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