「非効率なことに投資をする」ために高い利益率が必要になる

次は「すごい原材料」

東京の店舗を訪れると、行列ができていることも多いですよね。これだけ集客力があれば、ほかの商品も売りたい、という誘惑に駆られませんか。

長沼:それはありますよ(笑)。でもBAKEの競争力は、「非効率なことに投資する」という考え方です。これが可能なのも、単品にしていることで低い廃棄率と、人件費割合が維持できて、利益を出せるからです。

 非効率とは、例えば原材料にこだわることや店舗やパッケージのデザイン、PR。一見ふつうの菓子店が投資しないことにお金をかけることが集客につながっているんです。

 BAKEのコンセプトは「お菓子を進化させる」ということです。私は北海道で生まれて、北海道のお菓子を食べて育ちました。北海道の菓子は、安いのにすごくうまい。ですが、それが北海道以外では全然広がっていないことを知りました。これはもったいない。もっと多くの人に食べてもらうには、見せ方や中身の改善をする必要があると考えていて、ここまで来ました。

北海道札幌市にあるBAKEの工場

長沼さんが考える、美味しいお菓子の条件は何でしょうか。

長沼:フレッシュ、手間をかけること、原材料の3つです。その中でも、原材料に関してはもっとできることがあるんじゃないかと考えています。特に、お菓子に欠かせない乳製品に、さらなる進化を起こしたいですね。

 北海道の牛乳は美味しく、世界で一番です。アジアを中心にブランド力もある。輸出の需要もあるはずなのですが、生乳は国内すら不足気味です。酪農家の廃業が相次いでいるからです。流通など複雑に絡み合う課題があり、すぐに解決できることではなく、具体的なことはまだ言えませんが、いろいろ考えています。

「北海道で作る」ことにこだわる

どんなイメージですか。

長沼:フランスのエシレ村のバターや、「kiri」のチーズなど、それ自体がブランドの乳製品がありますよね。そういうのを北海道でやりたい、というイメージはありますね。