ダイハツを100%子会社にしたりマツダと資本業務提携を結んだりカンパニー制を導入したり。私が2015年6月にトヨタを出てから、トヨタがえらい勢いで変わっているので付いていくのが精いっぱい。ヒーヒー言っています。

 あんなに大きな会社がこれだけのことを短期間にしているのは、それだけ危機感を持っているからです。章男社長から直接、何かを言われたわけではない。でも、こうした変化は「自分たちも変わる。お前たちも変われ」というメッセージだと受け取っています。

<span class="fontBold">アイシン精機 伊原保守 社長</span><br /> 駆動系やエンジン関連の部品をグループで生産(写真=早川 俊昭)
アイシン精機 伊原保守 社長
駆動系やエンジン関連の部品をグループで生産(写真=早川 俊昭)

 トヨタはこれまで全てのことを中央集権的に機能別組織で決めてきましたが、組織をクルマのサイズ別などに分けてカンパニー制にしました。

 ここから大きな影響を受けて私が4月から導入したのが「バーチャルカンパニー(VC)制」です。

 アイシングループには、中核企業が14社、その子会社なども含めると200以上もの会社があります。アイシンのDNAには昔から、小さなプロ集団を作ってどんどん決断するという良いカルチャーがあった。ところが、一体感がない。グループ内の企業で事業はダブっているし、リソースも分散していた。

 そこで良さを捨てないために既存の会社組織は残し、同時に「パワートレイン」「走行安全」などの新技術領域のバーチャルカンパニーを作り、開発の人間を会社の壁を越えて割り振った。これが機能して、意思決定のスピードが上がりました。

 あれだけ大きなトヨタが勢いよく変わっているのだから我々もそれを感じて変わらないといかん。今、トヨタをまねて追っかけているところです。

「東京モーターショー2017」併催イベントとして、「クルマの未来」を見通す大型イベント「FUTURE MOBILITY SUMMIT : TOKYO 2017 DAY2」を東京ビッグサイトで開催します。

開発が加速する自動運転技術、EV(電気自動車)やPHEV(プラグインハイブリッドカー)に象徴される電動化と内燃機関の性能向上について、リーディング企業が取組みの最前線を語り、2020年およびそれ以降のクルマの姿を探ります。

完成車や部品などで世界を牽引するトヨタ自動車や日産自動車、ホンダ、マツダといった主要メーカーが一堂に登壇するのに加え、SUBARU社長の吉永泰之氏が対談形式でこれからの方向性を語ります。また、つながるクルマに不可欠な常時接続を実現する通信技術について、NTTドコモ社長の吉澤和弘氏も講演します。ぜひ、ご参加ください。

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