多忙な顧客企業の販促を支援

福田:LINE@の普及が進む中、顧客基盤を拡大させるのと同時に、それぞれのお客様とのエンゲージメント構築が必要になると思います。どんな工夫をしていますか。

長福:私が以前働いていたアイスクリームの会社でもそうでしたが、店舗では皆忙しいので販促に頭が回りません。そこで多忙な店舗をサポートするため、全国でセミナー主催やコミュニティー運営に取り組んでいます。全国60社の代理店網のほか、ダイレクト、オンラインそれぞれでサポート体制の構築を進めています。

福田:60社の代理店パートナー網に加え、東京、大阪、福岡、仙台に営業拠点を設置していますね。自社の営業チームの育成で心がけていることはどんなことですか。

長福:教科書通りかもしれませんが、お客様の立場で考えることです。お客様あってのビジネスですから、最前線にいる営業はお客様の声を徹底的に聞く必要があります。LINE@のサービス企画はLINE本体で行っていますが、グループ内でコミュニケーションを取りながら常にお客様の声を共有するようにしています。

 ナレッジ共有では、「自慢会」やミートアップの場も役立ちます。ミートアップはLINE@に関係なく、多くのLINEの社員に入ってもらい、ナレッジを伝える場です。役職者ではなく、一般社員に自発的にやってもらいたいので、運営を含めて任せています。各拠点を結んで開くのですが、多い時で40人ぐらいが参加します。また、自慢会は文字通り、営業が自分のお客様の成果を自慢する場で、成功事例をそこで共有しています。

福田:長福さんは以前からお客様の立場になって考えることを実践してきたわけですね。

長福:店舗での1日を振り返り、社員によく「自分たちのサービスを愛することは素晴らしいこと。でもお客様に『なぜやらないのか』は絶対に言ってはいけない」と言っています。相手の立場になるとそんな時間はありませんし、相手を理解して提案しないとお客様の役に立てません。お客様側でもツールが必要であることは認識しています。「これは店長に必要なツールです。売り上げのための『お守り』として導入してください」と伝えるようにしています。

福田:多くの企業がマーケティングでは新規顧客獲得に集中しますが、LINE Business Partnersではサービス導入後の活用や運用、最近の言葉で言えばカスタマーサクセスまで目を配っていますね。

長福:まさにサービス開発で注力しているのはそこです。現在、約30万店舗のお客様が導入していて、一定のイノベーターやアーリーアダプターは押さえられたという認識です。この層は皆さん感度が高く、かなりサービスを使いこなしているのが特徴です。

 ですが、これからはあまり使いこなしていない方にも使っていただけるよう、サポートを変えないといけません。2~3年ぐらい前から、「だったらやってみようか」や「やらないといけないからやる」というお客様が増えてきました。お客様の属性が変われば、必要なサポートも変えないといけないと思います。

福田:本当の意味でのOne to Oneマーケティングが実現できる時代になりました。マルケトでもマーケティングツールを提供しているので、その導入効果をどう測定するかは頻繁にいただく質問の一つです。LINE Business Partnersではどう答えていますか。

長福:効果を出すにはユーザーがLINE@を何のために使うかを明確にし、それぞれの使い方に応じて必要なKPI(重要経営指標)を考えることが重要です。サポートも提供しますが、どちらかというとユーザーの意思が大事だと思っています。

 「LINE@を導入しても何も効果がなかった」という指摘がありましたが、よく聞いてみると、「友だち」集めも何もやっていませんでした。LINE@はメディアではなくツールです。運用して初めて効果が得られます。ユーザーの意識を変えることまで含めたサービス提供に留意しなければならないと痛感しました。そのためにセミナーやコミュニティー活動の展開が鍵を握るでしょう。

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