そうですか。ところで今年7月、米国映画「ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ」が日本で公開されました。レイ・クロック氏が創業した現在の米マクドナルドが、地域密着型のフランチャイズチェーン(FC)の仕組みで事業を急拡大させていく様子が描かれています。この映画についてはどのような感想をお持ちですか。

カサノバ:日本での公開をとても楽しみにしていました。主役のレイを演じた俳優のマイケル・キートンを私は以前から、好きですから。マクドナルドの創業ストーリーの描き方が非常に興味深いものだったと思います。一番、面白いのが創業の精神であるQSC&V(品質・サービス・清潔さ・価値)です。と言うのも、これは現在でも全く変わっていないんですね。そこに改めて感動しました。

今年7月、日本で公開された米国映画「ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ」。レイ・クロック氏がマクドナルドビジネスを拡大する様子が描かれている。(C)2016 Speedee Distribution, LLC. ALL RIGHTS RESERVED
今年7月、日本で公開された米国映画「ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ」。レイ・クロック氏がマクドナルドビジネスを拡大する様子が描かれている。(C)2016 Speedee Distribution, LLC. ALL RIGHTS RESERVED
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映画にも描かれていますが、起業家であるオーナーが事業拡大の夢を見てどんどん店を増やしていくのがマクドナルドのFCモデルだと思いました。日本でもまだ成長の余地があるとすれば、日本のFCオーナーに対して夢を与えたり、モチベーションを上げたりすることは何か考えていますか。

カサノバ:全てのオーナーは成長をしたいと思っている起業家です。ですから、昔のような映画に描かれているような急速な拡大はできないかもしれませんが、成長させなくてはならないと思っている方々です。ですからモチベーションは常にとても高いです。

回復期から長期成長段階に移行している

もう1点。創業者のレイ・クロック氏は「マクドナルドはハンバーガービジネスではない、不動産ビジネス」だとよく話していたと聞きます。米国では不動産をマクドナルド本社が取得してFCオーナーに貸与し、本社は売上高に対するロイヤリティーと賃料を得ることで利益率を高める事業モデルです。一方、日本では土地を所有せず、土地所有者から借りているケースが多いと聞きます。日本も米国の不動産モデルを取り入れるお考えはないのでしょうか。

カサノバ:議論に上がったことはあります。状況が合えばもっと土地を購入する考えもあるとは思いますが、立地が重要です。売り地がもしあれば、立地を熟慮して取得するかを考えます。ただし、今ある資産で事業をどのように拡大していくかが重要だと思います。つまり、既存店の利益率を上げていくことです。今はそこにフォーカスしています。

米マクドナルドのイースターブルックCEOの改革についてはどう評価していますか。

カサノバ:スティーブと彼のチームは素晴らしい仕事をしていると思います。カスタマーファーストを掲げていますから、カスタマーファーストである限り、どの国の市場においてもマクドナルドは成功すると思っています。

業績は、チキン問題が発生する以前の2013年12月期の状況に回復しつつあります。この先、今のペースでさらに急成長できるのか、それとも今後は緩やかに成長していくのか。その辺りのイメージを教えてください。

カサノバ:急回復の時期から安定成長の時期に移行して来ました。これからも安定した成長を維持して、長期成長の段階へ向かうと考えています。

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