そうした一連の活動が特にお子さんを持つ母親のお客さんの信頼回復に効果を発揮したのですね。

カサノバ:こうした活動を実施したことはとてもよかったと考えています。ただし、いくらサイトで情報発信をしても、お母さんたちが朝、起きて、マクドナルドのサイトをチェックしないといけないですよね。「もっと、簡単にしてください」と言われました。

 そのためにはSNS(交流サイト)の活用が有効です。お母さんたちを集めたグループインタビューで聞くと、フェイスブック、ツイッターは少数でしたが、ラインは全員が使っていました。全国を回り、日本中のお母さんがラインを使っていることが分かりました。

 それならばラインを使って情報を提供すれば、お母さんたちも見やすくて簡単に情報にアクセスできると考えていますので、今後、どのように運用するか検討したいと思っています。

 あとは商品パッケージにQRコードを入れました。真上の目に付く場所です。スマートフォンでスキャンすればすぐに情報が表示されます。

 当社のこうしたサイトをご覧になったことはありますか?

今回の取材を機にかなり拝見しました。「マクドナルドのまるごとQ&A」というページでビーフに関して「ミミズ肉が使われているって本当ですか?」という質問項目があるのはびっくりました。

透明性を高めるため「根拠のない噂にも1問1問お答えする」と話すカサノバ社長(写真:竹井 晴俊)
透明性を高めるため「根拠のない噂にも1問1問お答えする」と話すカサノバ社長(写真:竹井 晴俊)

カサノバ:マクドナルドについては世界中でいろいろな噂があります。こうした疑問にも1問1問お答えしています。本当に変な噂がいろいろ世界中にありますから、本当のストーリーをきちんと伝えなければいけない。お客様に少しでも疑問があるなら払拭しなくてはなりませんから。

この質問に対しては食肉加工のスターゼンの工場長のインタビュー動画があり「そういう事実は全くございません」と明言していますね。情報を全て出して正直に顧客に向き合おうとする姿勢を感じます。こうした一連の取り組みを通じて、特に母親層の信頼が戻ってきたとカサノバ社長ご自身が実感したのはいつごろですか。

「マックチョコポテト」は食べだしたら止まらなかった

カサノバ:15年の第4四半期(10月~12月)です。お客様の調査で信頼度が回復してきて、同年12月に既存店売上高が前年同月比プラスに転じました。既存店売上高はそこから直近の17年8月までプラスで推移していますから、トレンドが回復へと大きく変わったと感じました。

 15年5月25日を「マックスマイルの日」と定め、店舗での接客の取り組みを強化しました。メニューには「スマイル0円」という表記を復活させました。それ以降、従業員の再トレーニング、メニュー開発などをお客様のご意見に基づいて進めてきました。同年10月には「おてごろマック」を発売しました。3つの新しいハンバーガーを200円で投入して、お客様から求められていたお得感を打ち出しました。一連の取り組みでお客様が戻ってきたと実感したのが、15年10月~12月期です。

16年以降はどうですか。

カサノバ:16年以降はどんどん楽しさを追求していました。16年1月には「マックチョコポテト」を発売しました。既存のポテトにチョコレートソースをかけて楽しんで食べていただく商品ですが、私もすごくおいしいなと思いました。

見方によっては奇抜なアイデアですが、よく、発売を認めましたね。

カサノバ:お客様に対して事前に商品テストをしていますから、このアイデアを思い付いた商品開発チームも自信を持っていたと思います。実際、私が初めて試食したとき、おいしくて食べ出したら止まらなくなってしまいましたから。

 この商品に続いて同年2月には「名前募集バーガー」を実施しました。新商品の概要を発表して、お客様から名称を募集するキャンペーンです。2週間で100万件の応募を目標にしていました。「そんなに集まるのかしら」と思っていましたが、なんと最初の2日間で100万件を突破しました。

 こうした参加型のイベントでお客様に対してマクドナルドからの一方向ではなく、双方向の関係を築けるようになってきました。

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