FC加盟企業のオーナーは、店舗がある地域について誰よりも熟知しています。ですから、マクドナルドの枠組みの中でそれぞれの地域のお客様に必要なことをしていくのがオーナーの方々の役割だと思っています。

FC店の比率を高め現在、約7割です。今後もFC化を進めますか。

カサノバ:今、180人以上のオーナーがいて、約2000店を運営しています。今後もさらなるFC化を進めるのは難しいことだと思いますが、もちろん減ることはないでしょう。本社の私たちより各地域のオーナーの方が、上手にローカルな店舗運営をできますから。

 オーナーの方々は起業家精神があり、マクドナルドの事業に新たな風を吹き込んでくれます。「ビッグマック」も「エッグマックマフィン」も米国のFC加盟店のオーナーが開発したものです。

商品のメニュー開発をFC加盟店が担うことは日本でも今後、起きてきますか。

カサノバ:あるかもしれませんね。オーナーの方々とはさまざまな形で定期的にミーティングをしています。いろいろな意見交換をしてオーナーの方々とどのようにしてビジネスを拡大していくか話し合っています。そこでは様々なアイデアも出てきますから、そこから新商品が生まれる可能性もあるかもしれません。

お客様の声をもっと伺うべきだった

チキン問題や異物混入問題が起きた14年、15年当時、「マクドナルドは地域の一員」という意識が希薄になっていたということはありませんか。

カサノバ:私たちはもっと、お客様の声を伺うべきだったのではないか、そこにチャンスがあったのではないかと反省しています。お客様との関連性が少し薄れていました。お客様が変わっていたのに、私たちが変わりきれていなかったのです。

 それは例えば、FC加盟企業に対して本社の中央集権体制が続いていたことです。15年、私自身、お客様の声を聞くために日本の全47都道府県を回りました。お客様と話して、日本では地域性がかなりあると感じました。ですから、現場のオーナーにもっと権限委譲すべきだと考えるに至りました。

それが地区本部制の復活につながっていったのですね。カサノバ社長はカナダ、ロシア、マレーシアなど日本以外の多くの市場での勤務経験をお持ちです。ほかの市場と比べて日本の特異性などありますか。

カサノバ:ロシアとマレーシアは規模が小さくこれから店舗展開を始めるところでしたので日本とは市場が違います。

 カナダは東海岸、西海岸で客層も言葉も違うのである意味、地域性が強い日本の市場と似ていると思いました。

 ただ、お客様がどのような行動をするかは結構、日本中で共通しています。お母様方に「マクドナルドの何が好きですか」と聞くと「カジュアルさ」「子供を連れて行けるところ」「気取らなくなくていい点」「お得感があるところ」「クルー(店員)が子供に接してくれるところ」「食べ物が大好きだから」などとおっしゃっていただけます。日本中でそうした声を聞きました。

名古屋市にあるマクドナルド一社店で、マクドナルドの職業体験イベント「マックアドベンチャー」を終えた子供たち。家族連れ客が戻ってきたことが、日本マクドナルド復活の要因の1つだ(写真:堀 勝志古)
名古屋市にあるマクドナルド一社店で、マクドナルドの職業体験イベント「マックアドベンチャー」を終えた子供たち。家族連れ客が戻ってきたことが、日本マクドナルド復活の要因の1つだ(写真:堀 勝志古)

 さらにはマクドナルドの商品について、「生産地や加工地、加工法や品質、安全性についてもっと知りたい」と話をしていました。しかも簡単に知りたいと。

 ですので、私たちは「見える、マクドナルド品質」というウェブサイトを立ち上げ透明性を高めました。今、かつてないほどの情報開示をしています。私たちの食に関する情報をこのサイトですべて開示をしています。外部の食品会社などを含め、動画もいろいろとあります。

 すべての原材料についてどこで作られたか、どの国で加工されたかといった情報についてです。

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