確かにマックアドベンチャーは人気がありますね。ビジネスプランはどのくらいのサイクルで回していますか。

下平:12カ月~18カ月で1サイクルを回すイメージです。

そうしたツールは以前からあったと思いますが、今まであまり活用してこなかったのですか。

下平:もちろん、以前から活用して議論もしていましたが、その重要度が近年、増してきたということです。より鮮明に店舗の個性を追求していくことは、最近、改善したことです。

それは地区本部制導入とも関係があるのですか。

下平:時期が重なったということもありますが、地区本部が中心になってFC加盟店のオーナーと関係を密にディスカッションするところはずいぶん変わったと思います。

子供がマクドナルドの仕事を体験するイベント「マックアドベンチャー」。厨房に入りスタッフに教わりながらハンバーガーを作り、カウンターで商品を渡す(写真:堀 勝志古)

店舗ごとのマーケティングの自由度は変わりましたか。

人手不足の問題は今のところない

下平:皆さんマーケティングには非常に興味がありますね。ですが、実は私たちがみているのは採用、つまり人なんです。

 マーケティングは市場をある程度、正しく見ていれば本部主導でいろいろ知恵も出てきます。それをどうやって各店舗で最大化するかとなると、店舗のスタッフの力量によってきます。その意味で、現場では人材を一番、重視しています。

 日本全体で人手不足の問題が深刻になっていますが、おかげさまで日本マクドナルドでは人手不足の問題は今のところありません。

 一方で今後の成長を考えたらもっとたくさんの人を採用して、もっとトレーニングして、もっと素晴らしい人材を作らなくてはならない。その意味で、フランチャイジー(FC加盟店)に対して、本部が一番サポートしているのは採用と人材育成ですね。

 やはり人の問題はどの企業とっても重要ですが、特に当社のようなかなり多くのお客様に来ていただくビジネスモデルは、人手不足は大きなインパクトがあります。そうならないように事前に準備と、何が必要なのか、非常に議論しています。

マクドナルドには「クルー」と呼ぶアルバイトが約13万人在籍していますね。歴代幹部を始め、店長、社員に至るまで「マクドナルドはピープルビジネス」と表現しています。具体的にはどのような対策をしていますか。

下平:「クルーになろう。キャンペーン」を全国的に実施しました。ロカールでの採用キャンペーンはいままでもありましたが、全国一斉のキャンペーンは創業以来初めてでした。

 コマーシャルを作ったり、お店でサンキューミーティングといって、地域の方をお店に呼んで、そこでマクドナルドのビジネスを紹介したり、キャンペーンに合わせて様々な企画をしました。これも初めてですね。

今年の「クルーになろう。キャンペーン」では、ターゲットを超える2万8000人の採用があったと聞きました。

下平:とても好評でした。クルーの採用は店舗で実施するのが基本です。採用募集のポスターを貼り、時には店のスタッフが、ポスターを眺めているなど興味をお持ちのお客様に直接お声掛けすることもあります。

 ですが、メーンは友人紹介です。実際、クルー採用の約60%が友人紹介です。

そんなに高いのですね。友人紹介率が高いので、現状では人手不足にさほど悩まされていない面もあるのですね。より多くの友人、知り合いを紹介してもらうために工夫していることはありますか。

下平:やはり仕事が楽しくないと絶対に紹介してもらえないので、そこは重視しています。逆に友人紹介率は、その職場が楽しいかどうか、クルーはどう思っているのかという指標になりますね。