1971年の1号店オープンから、時代の変化に合わせてビジネスモデルを変革してきた日本マクドナルド。下平篤雄副社長は、本部とFC加盟企業との関係を見直し組織改革を断行した。目指すは地域、顧客との関係強化だ。そのために、同社の強さの源泉の1つである「ピープルビジネス」を再構築する。下平副社長に聞く。

■インタビュー前編:「藤田田時代」から5度目のビジネスモデル転換 下平副社長が語る「真のフランチャイズカンパニー」とは
下平篤雄(しもだいら・あつお)氏
日本マクドナルドホールディングス副社長兼最高執行責任者(COO)。1953年生まれ。国学院大学法学部卒業後、78年、日本マクドナルド(現日本マクドナルドホールディングス)入社。営業推進本部長、上席執行役員コーポレートディベロップメント本部長など歴任。2009年からマクドナルドの大手フランチャイズ加盟企業、クォリティフーズ(新潟市)に出向、11年から同社副社長。15年1月、日本マクドナルドホールディングスに復帰。15年3月から現職(写真:竹井 俊晴)

全国画一ではなく、それぞれの店舗を地域の特性に合わせて変えていく。そのために本社主導のトップダウン体制から地区本部制へと組織変更したと前回、伺いました。ローカライズをしてもっと顧客に向き合う必要があると何度も強調しています。具体的にどのような手を打たれたのですか。

下平篤雄・副社長兼最高執行責任者(COO)(以下、下平):ビジネスモデルとしてマクドナルドブランドは1つですので、ブランドとしての統一感は必要です。これは絶対です。これを無視してマイストアマーケティングをしたり、ローカルストアマーケティングをしたりしてはいけません。これは全くダメです。

 今のナショナルプロモーションをどのように最大化しつつ、地域のお客様の心をつかむかがカギになります。そのためには地域のコミュニケーション活動だったり、スポーツの支援活動だったりと、地域との関係を強める活動が非常に重要になります。

地域ごとに独自の新商品を作っても売れない

 個店や地域で勝手にプロモーションをしてはいけないというのではなく、全国展開するプロモーションや新製品に勝るものはないと考えているからです。地域ごとに独自の新商品を作っても売れない、ヒットするのは難しいでしょう。これは誰もが理解する単純な話だと思います。

 一方、店舗ごとの取り組みで今、非常に重きを置いているのはCR(コミュニティー・リレーション=地域との関係)活動です。さらにマクドナルドの基本的な考えであるQSC(クオリティー・サービス・クレンリネス)、つまり「品質」「サービス」「清潔さ」です。

 このCRやQSCは地域ごと、店舗ごとに違います。例えば郊外の大型店なら客席でのコミュニケーションも重要になりますし、テイクアウトが多く、非常に込み合う店舗ならスピード重視の活動がお客様にとって一番プラスになります。

 ですから、地域ごと、店舗ごとの個性を明確にしつつ、どのように全国展開するナショナルプロモーションを最大化するかを考えなくてはなりません。そのためにはお客様への対応、QSCをどのように改善していくか、そこに非常にフォーカスしているところですね。

具体的に店舗ごとにQSCはどのように違ってくるのですか。

下平:お子様からご家族、男性・女性ビジネスパーソン、シニアの方など客層がお店ごと、地域ごと、曜日、時間ごとに違います。お客様とのコミュニケーションを重視した方がいいのか、スピードを重視した方がいいのか、それぞれの状況で違ってきます。

 また、日曜日のイベントを積極的に開催している店もありますし、マックアドベンチャーと呼ぶ、お子さんがマクドナルドの仕事を体験する、つまり、店舗で実際にハンバーガーを作るイベントがあり、これを中心にどんどん開催している店もあります。ですから、その地域のお客さんが何を一番、その店に求めているかについて、今、一番、議論しているところですね。

 ですからビジネスプランって今、非常に重要視しているんですね。一定のサイクルで店舗のビジネスプランを実行、チェック、サマリーをして、もう一度、次のプランにつなぐ。そのシステムができていますので、今、一番重要視しているのが最初のプランニングですね。

 そのプランはFC加盟店のオーナーと地区本部のビジネスコンサルタントが徹底的に議論して店ごとに作っています。マクドナルドにはそうしたツールがグローバルにたくさんありますから、さまざまなビジネスの議論をしています。