「真のフランチャイズカンパニー」を目指す

FC加盟店の比率を上げてきたこととも関連しますが、「真のフランチャイズカンパニー」を目指すのは、逆に言えば、直営主体では全体としてうまく経営ができないとの判断ですか。

下平:直営だからダメということでは必ずしもないのですが、将来的に考えると直営主体のビジネスモデルには無理があります。

 私は以前、北海道で地区本部長を担当してことがあります。それはほぼ直営店の時代です。店長などのスタッフは社員ですから、東京の本社で採用して北海道に異動してきます。そして、2~3年に1回、ジョブローテーションで別の店や本社に異動します。

 店舗側から見ると、3年間程度で人事が必ずリセットされてしまうのです。店長が一生懸命、地域の人との関係を深めて店舗を運営しても、3年で変わらなくてはならない。後に店長になる人は簡単には引き継げませんよね。

 どんどん変わっていくのは効率も悪いですし、地域のお客様からすれば、地域密着というのは10年、20年単位の話ですよね。ところが直営店の場合、3年くらいで人がコロコロ入れ替わっていました。いい店長も来れば、悪い店長も来る可能性もある。やはり安定した店舗運営を考えるのであれば、FC化が必要になってきます。

 そうするとFC加盟店のオーナー、経営者の皆さんの声を現場で聞いて現場で判断できる地区本部長が必要です。目下の店舗運営の話だけではなく、後継者をどうするか、今後の店舗展開はどうするのかという話も地区本部長とその場で決める体制です。

「中央集権型のビジネスモデルの限界を実感し『真のフランチャイズカンパニー』を目指す戦略に大きく舵を切った」と話す下平副社長
「中央集権型のビジネスモデルの限界を実感し『真のフランチャイズカンパニー』を目指す戦略に大きく舵を切った」と話す下平副社長

大別すると藤田さんの時代で3度、その後、原田さんの時代を経て、14年3月にカサノバさんが日本マクドナルドHDの社長兼CEO(最高経営責任者)に就任して今は5度目のビジネスモデルの変革期にあると。

下平:10年、11年、原田さんの時にFC店を含めたシステムとしての売上高が高く利益もよかった。その状況を2~3年維持して、ちょっと業績が落ち気味だったときに14年7月、上海福喜食品問題(編集部注:「チキンマックナゲット」を製造していた中国の会社が使用期限切れの鶏肉を使っていた問題)の報道がありました。さらに翌年1月には異物混入の報道がありました。

 そこで改めてお客様の声をどのように聞いていくかということがいかに重要なことか痛感させられました。報道はそのきっかけになりました。

 1971年、藤田田氏が日本マクドナルドを設立して以来、ビジネスモデルを変革し、現在は5期目に入っていると説明する下平社長。真のフランチャイズカンパニーを目指して本社とFC加盟店との関係を変えた。

 では、真のフランチャイズカンパニーにおける顧客との対話とはどのようなものなのか。また、顧客との接点を持つ店舗スタッフはどのように採用し育てていくのか。次回、聞いていく。

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5ページ目、本文中の編集部注で「使用期限切れの鶏肉を使って『マックチキンナゲット』を製造していた中国の会社の問題」としていたのは、正しくは「『チキンマックナゲット』を製造していた中国の会社が使用期限切れの鶏肉を使っていた問題」です。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2017/09/15 14:30]