マックにターゲットなし。だから“空気感”を重視する

──空気感ですか。

足立:はい。余談ですが『「空気」の研究』(文春文庫)という本があります。評論家の山本七平さんが書かれていますが、私はこの「空気」をとても重視しています。

 理由はマクドナルドにはターゲットがないからです。年齢性別問わず全員がターゲットです。かつ、新商品やキャンペーンを常に実施して休めるタイミングもない。そうなると一つひとつのマーケティングも重要なのですが、マクドナルドに対する全体的なイメージがより大事になります。「何か楽しそう」「行ったら何かあるかもしれない」という、その空気感を作ることが重要だと思っています。

──顧客層を絞り込まずにニュースを作り出してどんどん拡散するという手法では、今後、ネタ切れを起こす可能性はないですか。

足立:まだ全然、大丈夫です。ただし、私が入社してから毎週プロモーションをする体制に変えました。実は以前とプロモーションの数自体は増やしていないのですが、複数のキャンペーンを同時に実施するのをやめて、1週間、2週間、ずらしているんです。

──そうすることで、常に何かしら新しいことをしているように見せているわけですね。

足立:そうなんです。今年4月の例では、最初の週に「グラン」シリーズを発売して、次にハッピーセットの新たなおもちゃ、その翌週はマックフルーリーの復刻版を発売と言う具合です。

マック復活、「過去最高レベル」に戻った

──マクドナルドはどの程度、復活したとお考えですか。

足立:過去最高レベルに近づいていると考えています。そして、さらに伸ばせると思っています。

──今後、どのように伸ばしていきますか。

足立:マクドナルドの利用者数はかなり高いレベルにあります。ですから、全く来ない人に訴求しても、これから来ていただくのは難しいと思います。すべきことは基本的に来店頻度を上げることです。例えば、半年に1回の頻度で来ていただく方に、3カ月に1回、来てもらう。習慣化ですね。

 それから時間帯では朝と夕方、夜で売り上げを増やすことが重要です。マクドナルドはランチには強いですから、それ以外の需要を増やすことです。あとはお店以外、デリバリーの強化です。

 そして、モバイルオーダーと呼んでいますが、スマートフォンのアプリ経由で、注文と決済を事前に済ませておくことで待ち時間をゼロにすることです。

 このようにすべきことはたくさんありますので、ネタは尽きませんよ。