では、グローバルのビジネスでは、何をもって相手を信頼できると思ったらよいでしょうか。

兄貴:親、家族、兄弟、友人と会います。本人を知るうえで最も肝心だと思います。そこで会わせたくないとか、何かの理由で会えないとなると、ここは難しいところです。家族や周囲の人とも親しくなるべき。

仕事の話をしている人と、家族に会わせろというのも、なかなかハードルが高いと思うのですが

兄貴:いやね。簡単です。家庭訪問をする担当係長を作ればいい。そこはやった方がいいです。

 ここは自分だけの問題かそうでないか。家族まで巻き込む問題かそうでないか。友人知人まで巻き込む問題かそうでないか。それが人として、人生の中で大きいものと考えています。

 例えばね、こういうふうな考え方ができます。親友だという人がいます。友達だという人がいます。でも、奥さんの顔を見たことがあるか、せがれの顔を見たことがあるか、じいちゃんの顔を見たことがあるか、というと、一気に減ってしまうでしょう。

 これは日本の伝統と文化です。昔はみんな知っていたはず。

いたわりのある会社を構築する

大城:古きよき日本を取り戻せということですね。華僑の強さもそのあたりにあるのかもしれません。だいたい、家族のことや付き合っている人のことを上役は把握しています。

兄貴:それを企業体とかマネジメントとか、いろんな分野にどんどん複合させていく、取り入れていく。取り戻す事が出来たら成功率は高まると思います。

 なぜならば、例えば、僕もサラリーマンでした。一緒に働いていました。ほんで奥さんが病気になりました。でも、そこへのいたわりがありません。仕事取ってこいばかり言います。絶対にこんな会社は辞めてしまう。

 でも、家族を知っていたら、そこはいたわれる。課長が部長が言ってくれる。お前、今日は早く帰ったれ。そんなんが日本です。

若い人間が就職する会社を選ぶときには、そういった面を重視した方がいいんですね。

兄貴:それを重視できていない企業は、どんどん滅びていきます。

大城:ただ、兄貴のいうことが分かった方がいて、若い人間を家に泊めようとしても、今の方って公私を分けようとします。飲みに行こうとしても、それって残業代がつきますかと、言うぐらい。

兄貴:だから僕がいった採用試験をしていないからです。そもそもです。ようするに、人に信頼されるような人なら、そんなことは口が裂けても言いません。

 僕なら上司が誘ってくれたら、いいんすかと。それってひょっとして飲めるやつですか。お酒もついてきちゃったりするんですか。どんどんうきうきするよ。

 でもね。付き合いを薄めてきたのは、上司です。面倒みてこなかった結果でもある。

(明日公開の第3回に続きます)

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