大城さんは、大きく考えて小さく動けといったことをどう考えられますか。

大城:華僑の場合は、常に2つの物差しをといいます。目の前のことと長期目線というのを、常に交互に見ろという教えです。目の前の利益を無視して、遠くの大きなことばかり言う人はよくない。やっぱり手前の利益をしっかり積み重ねることが、遠くの利益に結び付くのだという考えです。小さな利益はいろいろビジネス上にも落ちていると思うんですけれども、それが大きな目標とつながるように組み立てていくということですね。一方で、何でもかんでも利益というと、結局ビジネスが横に広がるだけで、前にある自分の目標に届かなくなるという考え方です。

 これ儲かりますよという話はたくさんあると思います。ただ私は、それがあまりにも自分が進んでいこうとする道と違うとか、社員が持っているスキルと違うということであれば、それがいくら儲かる話であっても手は出しません。それをやりたい人を探して紹介してあげるとかですね。

あまり知識がないところに手を出してもだめだということですね。

大城:結局、依存症に似ていると思うんです。何にでも手を出すというのは。ビギナーズラックって当たり前なんですね。ビギナーという初心者に対しては簡単な仕事、出来事しか起きないので、絶対うまくいくんです。

 これがうまくいくとみんな依存症になっていくんですが、例えば中間管理職になったときに困る。あれ? 自分は今までうまくいってきた。新人時代には全部やりこなしたのにできなくなる。ただ新人時代は重要な仕事を任されてないだけなんですね。あなたが実力があったんじゃなくて、ビギナーズラックというのは誰にでも起こっている。それを長いビジネスで考えた場合は、仕事をこなすためには、先ほど言われたように小さく行動していけば、絶対大丈夫なんです。

自分より優秀な人間をそれなりの報酬で雇え

「動く」ためには、自分が不得意な部分を人に任せればいいという考えもあります。

井口:デニスさんの場合は、自分がやる事業に関しては、自分はあくまで起業の部分しかやりません。それ以降の経営、実際の運営といったものは基本、人に任せるというスタンスです。

 自分は経営者じゃない。管理者でもない。自分はあくまで起業家であると。だからなるべく早い時期に適切な人材を見つけて、経営は任せるというのが彼の考え方です。とにかく自分より優秀な人を雇う。優秀なのに、金持ちになろうと思わない人が世の中には大勢いるから、そういう人たちを雇えばどんどんお金を運んできてくれると、そういうことです。

 そういう人たちはやりがいで動く場合が多く、それなりの報酬でよかったりする。それ以外にがんがん儲かった分は俺がもらうよと。人によって求めているものが違うので、本当に金持ちになろうと思ったら、そういう人たちに上手に働いてもらう。ただ、働いている人たちは、働かされているわけじゃなくて、喜んでいるわけです。ここでこれだけの仕事を俺はできたといって。そういう場所をつくるのが自分の仕事だというのがデニスさんの考え方です。

会社組織でいえば、プロジェクトリーダーにもあてはまるかもしれません。組織の中には優秀な人もいるし、仕事が早くない人もいる。そういう人たちをどううまく働いてもらうかというところにも通じるものがあります。

井口:いろいろな方がいますからね。それぞれの人にうまくはまるようにすれば、全体がうまくいって、仕事がうまくいく。結果としてお金も儲かったりするということです。

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