大城:やってみろというのはありますね。やるのが当たり前で、その後で軌道修正すりゃいいんでしょうという教えはやっぱりあります。最近特に注目を浴びているアリババ集団の創業者であるジャック・マー。彼も挫折、失敗を繰り返したということがいろいろなところで報道されています。ただ、それでも全然めげずに、大成功を収めています。

大富豪になりたければ人の目は気にしない

先ほど動けというお話がありました。手段がいくつもあると、どれにしようかなと悩んで、結局何もやらなかったみたいなことに陥りそうな感じもします。そこでデニスさんは動けと言っていると思うのですが、その第一歩を踏み出すためにはどんなことが重要になってくるのでしょう。

井口:今の話にはポイントが2つあると思います。1つは何をするかという部分と、それから何をするかは決まった後に、それを実際にやるのか、やらないのかというところ。何をするかについては、当然いろいろなパターンがあるわけです。自分の趣味や好みの問題とか、世の中の状況とか、みんながやっていることをやってもなかなかうまくいかないよとか。やっぱり人がやっていないこと、そういったことを狙わないといけないのではという話もあります。

 そういいながらも彼は出版というある意味で完全に成熟した世界に入って、そこでずっとやってきたわけです。業界自体が新しければ、たいがい何をやっても新しいということになっていいんでしょうけど、成熟している業界であっても、その中にどこかまだ人がやっていない、成長していく部分があったりする。そこをうまくつかんで、それが業界に広がって波に乗れば、自分は大したことがないと思っていても、気付いたら押し流されて前へ出ていたみたいな形になる。そういったものを選べればいいよねといった話を、例を挙げながら説明しています。

 このように何かをやると決めて、じゃあ実際にやるというときには、やっぱり怖いわけです。いろいろな意味で。そのときは安定して暮らせているケースが多いでしょうから。たいがいはその生活を捨てて、収入の道が途絶えて、新しいことを始めるという形になります。その意味でも怖い。

 それから成功するとは限らない。失敗するかもしれない。失敗したときには、その元の生活にさえ戻れないかもしれない。さらには失敗したことがみんなに知れてしまう。

 一つの事例として、ある女性のことが書いてあります。彼女は、大学院でもうちょっと勉強するか、父親の事業を継ぐかで迷って、結局、大学院に行くことを選びました。大学院に行くのであれば、例えばどこかで挫折しても、「しばらく勉強してみたらやっぱり面白くなかったわ」などと、そういう言い訳ができるし、また大学院で中退しても、周りも分かりませんよね。何も言わなければ。

 でも父親の事業を継いで、それを拡大しようといろいろ動いて失敗しましたということになると、当然、取引先や銀行に知られてしまいます。また、車の中古車販売業でしたので、お店は周りから見えているわけなので、失敗したということが結構多くの人、しかも自分の身近な人たちに知られてしまう。これが非常に怖いと。

 だけどそこを怖いと思っていたらいつまでたっても踏み出せない。だから準備はいろいろすべきだけれども、最後は怖がらずに足を踏み出せ。本当に金持ちになりたいんだったら。本当になりたいと思って努力をする気概があって、努力を続けていければ、それなりには何とかなるよというメッセージがこの本にはあります。

(明日公開の第2回に続きます)

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