新井:犬をもらったことがあります。正直を言うと、最初は困ってしまったんですけど。

 愛犬家の大富豪に犬が生まれたのです。そのときに、「新井君、どう?」と言われたんですね。実は私、そんなに犬が好きなわけじゃないんです。ただ、せっかく言っていただけたんですし、また拝見したらかわいかったので、「喜んで」といただきました。

 実はこの犬が営業活動をしています。そのお客様は、スポットで仕事をいただいているのですが、あるとき、電話がかかってきました。「最近、顔を見せてないじゃない。顔見せにおいでよ」と言われるので、数日後に、1人で顔を出しました。すると、「君じゃない、犬連れてこないでどうするんだよ」と、怒られてしまいました。

 親戚みたいなもんなんだから、たまには顔を見たいんだよと。その次からは、犬を連れて顔を見せるようにしたんですが、そうすると、やはり気を遣ってか、仕事もいただけるようになったんですよね。犬を1匹飼って、会社的には数千万円の仕事をいただいたという形になっています。

犬ほどとはいかないかもしれませんが、例えば上司から使ったものをいただけると、関係としては少し深まったような気になりそうです。

大城:名刺入れやボールペンは、気軽にあげられるのでいいかもしれません。私は、名刺入れをあげることをよくします。名刺入れは半年以上使ったことが最近はありません。

計画をしっかりと立案するより見切り発車

では次に、大富豪のビジネスの進め方についてお聞きしたいと思います。

新井:まず、大富豪はビジネスを行ううえで、見切り発車をします。何か新しい事業をやるときとか、しっかりと準備段階で事業計画をたてるとかはあまりしません。思いついたら、もうそれやろうよ。事業計画は進めながら作る。いわゆる、走りながら考えるというタイプが多いです。

 私なんかは普通の人間ですから、あるときに、「しっかりと事業計画をたてないんですか?」と尋ねたら、「そんなのはやらん」、というんです。今は時代の移り変わりが激しいし、人の嗜好の変化も激しいので、事業計画を作るのに1カ月、2カ月かけてたら、遅れちゃうんで、走りながら考えていくしかないんだ。そういう時代なんだとよく言われてましたね。

 あとはやってみないとわからないし、方向修正も必要だと。よっぽどレガシーなビジネスなら別だが、新しい市場を開拓するのなら、とにかくやってから修正だと。とにかく考えるなら手を動かせ。ということです。そういうタイプが多いですね。

華僑はいかがですか?

大城:華僑も、今言われたのとまったく同じです。ボスは知難行易(ちなんこうい)という言葉をよく使われます。知るよりもやった方が簡単だと。みんな知ってからやろうとするけど、それって難しいよね。やってからじゃないと、知ることなんてできないから、さっさとやってしまえと。これをとにかく言われました。

 例えば、起業する際にも、すぐやれと。しかも役割分担をしっかりして、お前はアイデア出す人間だから、お金を出す人間と動く人間をすぐ探せと、こういわれました。ですので、すぐに知り合いに声をかけてアルバイトの人間を紹介してもらい、またお金に関しては、自分で出すなと言われていましたので、沖縄に帰って、親戚に頼んで出してもらいました。話はずれますが、逆に親戚のお金だから恐かったですよね。使うのが。

怖いというと、見切り発車をするのも怖いと思います。

新井:でも彼らぐらいになると、一歩踏み出すのも抵抗感はないですよね。それよりも、一番怖いのは、何もしないことだっていう考え方なんです。いろいろと考えると一歩踏み出せない人が多い。だけど、想定しているリスクなんて、10個想定して、実際に起こるのは1個ぐらい。それよりもやらないことの方がリスクなんだから、とっとと走ってしまえと。

 ただ、起こってしまったものに関してはしっかりとレビューして対応をします。二度と同じようなことを繰り返さないようにするほうが、建設的です。

 石橋を叩いて渡ると、ひょっとすると石橋が壊れてしまうかもしれない。なくなってしまうかもしれない。だったらとりあえず渡ってしまって、考えればいいじゃないか。そのとき、真ん中あたりでつまずいたのであれば、次の石橋を渡るときは、つまずかないようにしよう。そういった考えですね。

(明日公開の第3回に続きます)