新井:そもそも会議は調整の場になってはいけない。決める場にしなくてはいけない。それが、もし10分の会議で決めなくてはならないのだったら、役員同士が事前に調整を始めるだろうと考えている人もいます。そうすることによって、会議では結論だけを聞けばよく、それに対して、みんなで合意だけできればよい。

 このように事前のネゴシエーションによって、結果的に生産性が上がるようになる。我々も、会議とか来客とか、1時間で予定することが一般的ですが、これは見直した方がいいかもしれません。

食事の場で油断させる

華僑は会議に対しては、どのように考えますか。

大城太
1975年2月8日生まれ。大学卒業後、外資系金融機関、医療機器メーカーで営業スキルを磨き、起業を志す。起業にあたり、華僑社会では知らない者はいないと言われる大物華僑に師事。厳しい修行を積みながら、日本人唯一の弟子として「門外不出」の成功術を伝授される。独立後、医療機器販売会社を設立。アルバイトと 2人で初年度年商 1億円を達成。現在は医療機器メーカーをはじめアジアでビジネスを展開する6社の代表および医療法人理事を務める傍ら、ビジネス投資、不動産投資なども手掛ける。2016年 3月より日経ビジネスオンラインにて『華僑直伝ずるゆる処世術』を連載。

大城:華僑の会議は、馬脚を現す場であるという考え方ですので、ほとんどが食事をとりながら話を進めます。食事の場ででてきた話が実行されていく。本来の会議室で行う会議は、長くても短くても、極端な話、なくても構いません。その代わりに、食事の場を重要にする。私の会社では、会議はないです。

とにかく食事の場なんですね。

大城:ちょっと話がずれるのですが、よく目を見て話しなさいというのがあるかと思いますが、華僑の場合は、口を見なさいと言われます。口を見ると、嘘を言っているか、本当のことを言っているかが分かるので、口を見なさいと。

 そして、食事の場だと、みなさん油断されるんですよね。もっと食べろとか、夜だったらもっと飲めとかという話になったりして。そこで本音を引き出すというのが目的です。そして、本当に本音を言っているかどうかは、口を見て判断する。

新井:大城さんが言う通り、食事とかで決まることってものすごく多いですね。食べながら飲みながら。この執事の仕事も、大真面目に営業活動で決まるというよりは、どなたかのパーティに呼ばれて、そこで知り合いになった方から依頼されるケースが多いです。

 また、大富豪の方を見ていると、だれかと食事をとっているということが非常に多いです。夜はもちろん、昼もそうですし、意外に朝にも会われたりしています。朝は大体予定が空いているので、そこを狙ってこられる方もいます。

 人って感情的な動物です。会議ってロジックな部分で戦うんですけれど、仕事って感情で決まることが多いじゃないですか。感情的に決めて、あとでロジカルに理由づけをする。だから食事の場で何か決めるというのは、非常に合っていると感じます。

では次に人の心のつかみ方に話を移したいと思います。