前回に引き続き、国内外の大富豪に執事のサービスを手掛ける日本バトラー&コンシェルジュの新井直之氏と、人生の勝ち組となる条件を探っていく。今回の話題の中心は人の心のつかみ方。大富豪は、人の心をつかむために、よく贈り物をするという。では、何を贈れば効果的なのか?
大富豪の方は、なるべくスケジュールを埋めないようにしているというお話がありました。彼らは、ある程度自分が思うように動けますが、普通の会社員は、どうしても会議の予定を優先しなくてはならないなど、自分で都合がつけられない場合もあります。そういった場合に何か対策はありますか。
大城:中間管理職の方でいえば、管理職手当のようなものがあると思いますが、これはマネジメント手当です。だから、マネージャーでなくては、できない仕事があるはずです。だからそのための時間は確保するべきです。スケジュールでいえば、自分の使いたい時間をブロックする、といったことから始めるといいのかな、と思います。
自分のスケジュールを確保するために、適当なスケジュールを入れておくとかですかね。
大城:そうですね。さらにその時間は、携帯電話の電源を切っておくとか。

執事/日本バトラー&コンシェルジュ社長
フォーブス誌世界大富豪ランキングトップ10に入る大富豪、日本国内外の超富裕層を顧客に持つ同社の代表を務める傍ら、企業向けに富裕層ビジネス、顧客満足度向上、ホスピタリティに関する講演、研修、コンサルティング、アドバイザリー業務を行なっている。
ドラマ版・映画版・舞台版『謎解きはディナーのあとで』、映画版『黒執事』では執事監修、主演の櫻井翔さん、北川景子さん、水嶋ヒロさん、DAIGOさんらの所作指導を担当。
著書にAmazonランキング1位(経営)総合3位を獲得した『執事だけが知っている世界の大富豪58の習慣』(幻冬舎)、『執事が教える至高のおもてなし』(きずな出版)など著作多数。著書は海外でも翻訳出版され、著者累計発行部数は30万部を超える(写真=深澤明、以下同)
新井:上司は頼られてはいけない、スーパープレーヤーになってはいけない。頼られちゃうと仕事が集中してしまうからです。本来、部長であっても課長であっても、やるべきことはマネジメントなので、そのあたりもしっかり考えて、任せるべきことは任せてしまえば、会議なども減り、スケジュールを空けることができるのではないでしょうか。
また、会議の話でいえば、会議の時間は10分、15分ととても短い時間に決めている大富豪がいました。日本だと、1時間といった枠で決める方が多いじゃないですか。本当に1時間の価値があるかどうかわからないのに、とりあえず1時間の枠を取る。本当は10分とか15分ぐらいしか価値がないのに。
このような固定観念が大富豪にはないんです。1時間予定をおさえようとすると「これは10分でいい」などと怒られてしまう。特に大人数の会議ほど、短くしようとします。大富豪の方って、役員会とかに出席することも多いのですが、20~30人集まるような会議でも10分で終わらせようとする。
また、別の理由としては、人件費ですね。というのも10人集めれば10人分の時給が掛かってきます。それを払っているのは大富豪本人なのですから、だったら極力短くして、その分、他の仕事をしてもらった方がいい。
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