他人の嫌なところは見ない
野中:当然、ソリが合わない人たちはいると思います。私は、嫌なものを嫌と思わないようにしてます。上司でも部下でも嫌なところを見ないでいいところを見てやる。
もちろん、上司が嫌で、それが原因で会社を辞めるという人もいるかもしれません。でもそういう場合って、次の会社に行っても、大体同じことが起きるんですよね。またもや嫌な上司が原因で辞めたくなってくる。逃げているとダメなんですよ。
給料が安いことに不満で会社を辞めると、やっぱり次の会社でも同じような不満を持つようになる。逃げているといつまでたってもダメです。
大富豪の方も、やはりソリが合う人、合わない人があると思います。彼らはどのように対処しているのでしょうか?
野中:まず、「鏡の法則」ということを聞いたことがあるかもしれませんが、そもそも大富豪の方々は、とてもエネルギーの高い方たちが多いので、ソリが合わないような人は寄ってこないのです。だからあまり嫌な付き合いをすることがないのです。
それって大富豪の方だけの話ではありません。相手は自分を映す鏡です。相手のことを嫌だな、と思ったら、きっと自分もそのような要素を持っているんだなと考えたほうがいいです。
相手がどこかの部署に行ってくれないかなとか、この上司変わらないかなとか、思っているのなら、まず自分が変わることですね。そうすれば、その人との関係もきっと変わってくるはずです。
そこで重要なのは、やはりいいところを見るということですね。大城さんはどんな対処方法があるでしょう?
1975年2月8日生まれ。大学卒業後、外資系金融機関、医療機器メーカーで営業スキルを磨き、起業を志す。起業にあたり、華僑社会では知らない者はいないと言われる大物華僑に師事。厳しい修行を積みながら、日本人唯一の弟子として「門外不出」の成功術を伝授される。独立後、医療機器販売会社を設立。アルバイトと 2人で初年度年商 1億円を達成。現在は医療機器メーカーをはじめアジアでビジネスを展開する6社の代表および医療法人理事を務める傍ら、ビジネス投資、不動産投資なども手掛ける。2016年 3月より日経ビジネスオンラインにて『華僑直伝ずるゆる処世術』を連載。
大城:全否定と部分否定があると思います。何か注意されると、日本人の場合は、人格までが否定されたと勘違いされる方がいる。本当はわずかな部分を否定されたに過ぎないのに、なぜか全否定されたように思う。
仕事は自分の人生の1つです。その中のさらに1つを注意、ひょっとすると罵詈雑言を浴びたのかもしれませんが、小さな部分を注意されたのにすべてを否定されたと思う。華僑と喋っていると、ここが日本人は違うよね、という話になります。
これとは逆に、部分的に褒めたのだけれども、勘違いすることもある。例えば、これは遊びに行ったときの話ですが、女性から「いいスーツ着てますね」と言われたら、「俺はもててるんだ」と勘違いする。これも日本人。
日本人は大げさにとりすぎるというか、スルースキルがないというか。そこが職場における人間関係でも大きいと思います。
その業務に関して注意を受けた、それだけ。その上司は、あなたが嫌いで注意したのではない。一般的に、嫌いであれば無視するんです。そうでないということは、全否定ではない。そういったことを理解すれば、人間関係にも違いが生まれてくるのではないでしょうか。
やっぱり組織はコミュニケーション
日経ビジネスオンラインの読者には経営者の方やリーダー層の方、いわゆる組織を統括する立場の方が多くいらっしゃいます。そういった組織をうまく回すために必要なことは何でしょうか?
野中:会社を率いるのにも、プロジェクトを回すのにも共通しますが、そこで大事なことは三つあると思います。
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